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夕暮れから、秋の虫の音が聞こえるようになりました。
この虫の音を日本人は風流だと思って聞くそうですが、
秋の歌は老いも若きも知っている歌が多いので皆で合唱をすることがあります。
大正生まれの利用者さんも平成生まれの職員も、みんな知っているのはこの歌!
しかしながら、2番の歌詞の「きりぎりす」は実は「こおろぎ」なのだそうです。
きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かたしきひとりかもねむ
後京極摂政前太政大臣
百人一首の中のこの「きりぎりす」も実はコオロギのことだということです。
きりぎりすは日照時間の長い間の昼間に鳴くのだそうです。では、少し寒くなってから
夜なく虫は誰でしょう。それは、コオロギです。
じゃあ、いつから「きりぎりす」はコオロギと呼ばれるようになったのでしょう。
平安時代から江戸時代に至るまで、「鳴く虫」の総称が「きりぎりす」だったらしいですね。
細かいことは言わなくったって、鳴く虫はなんだって「きりぎりす」でいいじゃないってことだったんでしょうね。
清少納言の『枕草子』に至っては、鈴虫がマツムシでマツムシが鈴虫。ハタオリがきりぎりすで、きりぎりすがコオロギということで、もう何がなにやら・・・
で、この「虫の声」の歌も、上に記したものは昭和10年以前の歌詞ですが、それ以降は
2番の最初の部分、「きりきりきりきりきりぎりす」が「きりきりきりきりこうろぎや」
に変わっています。
大正生まれも平成生まれも、この歌は知っていますがその部分だけ揃いません。
この虫の音をしみじみと受け取るか、単なる騒音と受け取るかは脳の働きによるそうです。
一般的に虫の音を「虫の声」としてとらえることができるのは日本人だけだと言われていますが、どうなのでしょうね。
江戸で鈴虫を籠に入れて虫の音を楽しんでいるのを見た西洋人がびっくりして本国へ手紙で知らせたという話を聞きました。
そしてまた、みんなが知っているお話はイソップ物語の『アリとキリギリス』
ところが、これもまた年代によって結末が変わってきます。
アリが夏の間一生懸命に働いていた時に、キリギリスは歌って遊んでいます。
そして、冬になって家もなくエサもないキリギリスはアリに助けを求めます。
と、ここまでは同じなのですが、元々のお話ではアリに断られてキリギリスは死んでしまいます。「だから、真面目に働かなくてはね」ってことだったのですが、いつのころからでしょうか、アリは「困っているときはお互い様」と言ったかどうか知りませんけれど、キリギリスを家に入れ、食物を与えます。
アリが困っている人を助けてあげられるようになったのは、世の中全体が豊かになってきて、社会保障もしっかりして野垂れ死になんてことは社会の恥だと思うような余裕ができてきてからかもしれないな・・・なんて、考えてしまいました。